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マンション外壁ドローン点検のメリット・デメリットとは?導入を検討する際のポイント

マンションの老朽化は、管理組合やオーナーにとって大きな課題です。
高層マンションになればなるほど、外壁の点検は費用と手間がかかり、安全面でのリスクも高まります。
近年、ドローンを活用した点検が注目を集めていますが、導入を検討する際には、メリットとデメリットをしっかりと理解しておく必要があります。
このため、今回はドローンによるマンション点検のメリットとデメリットを比較検討し、導入の判断材料となる情報を提供します。
マンションドローン点検のメリット
・コスト削減効果
ドローンを用いた点検は、従来の方法である足場やゴンドラ、ロープアクセスに比べて、大幅なコスト削減が期待できます。
仮設費用が不要なため、特に高層マンションではその効果は顕著です。
人件費に関しても、少人数で効率的に点検作業が行えるため、コストを抑えられます。
ある調査では、ドローンによる外壁調査の費用は、従来の打診調査の約4分の1以下という結果も出ています。
・修繕周期調整
従来、10年周期で行われることが多い大規模修繕は、点検と同時に実施することが一般的でした。
しかし、ドローン点検であれば足場を組む必要がないため、点検と修繕を分離して実施することが可能になります。
これにより、修繕周期を調整し、長期的なコスト管理を行うことができます。
例えば、12年周期の修繕を15年周期に調整することで、修繕回数自体を減らし、大幅なコスト削減につながる可能性があります。
・点検精度の向上
ドローンに搭載された高性能カメラ、特に赤外線カメラは、目視では発見しにくい外壁の浮きやクラックなどを早期に検出できます。
これにより、より正確な劣化状況の把握が可能となり、修繕計画の精度向上に繋がります。
また、高解像度のカメラによる詳細な画像データは、修繕箇所の特定や見積もりの作成にも役立ちます。
国土交通省もドローンによる赤外線調査を一級建築士による打診調査と同等以上の精度と認めています。
・法規制への適合性
ドローンによる外壁調査は、国土交通省によって建築物の定期検査における外壁調査方法として正式に認められています。
そのため、法規制に準拠した適切な手順で実施すれば、法的な問題なく点検結果を報告書として提出できます。
ただし、飛行許可や安全対策など、運用にあたっては遵守すべき事項があることを念頭に置く必要があります。
マンションドローン点検のデメリット
・導入コスト
ドローン本体の購入費用や、操縦者の育成費用、メンテナンス費用など、導入初期には一定のコストがかかります。
ただし、長期的な視点で見れば、従来の点検方法に比べてコスト削減効果の方が上回るケースが多いとされています。
導入前に、初期投資とランニングコストを綿密に算出し、費用対効果を評価することが重要です。
・技術的課題
ドローン操縦には熟練の技術が必要であり、高度なスキルを持つ操縦者を確保する必要があります。
また、天候に左右される点や、建物の構造によっては点検が困難な場合もあります。
これらの課題を解決するために、事前に十分な調査と準備、そして信頼できるドローンサービス事業者との連携が不可欠です。
・天候への依存
ドローンは悪天候下では飛行が困難です。
そのため、点検時期の調整や、天候に左右されない代替手段を用意しておく必要があるかもしれません。
点検スケジュールを立てる際には、天候状況を考慮し、余裕を持った計画を立てましょう。
・プライバシー問題
ドローンによる撮影は、住民のプライバシーに配慮する必要があります。
飛行経路や撮影範囲を事前に計画し、住民への説明や同意を得るなど、プライバシー保護対策を徹底しましょう。
まとめ
ドローンによるマンション点検は、コスト削減や修繕周期調整、点検精度の向上といった多くのメリットをもたらします。
しかし、導入コストや技術的課題、天候への依存、プライバシー問題といったデメリットも考慮する必要があります。
導入を検討する際には、メリットとデメリットを慎重に比較検討し、自マンションの状況に最適な方法を選択することが重要です。
当社のような専門業者に相談し、適切なアドバイスを受けることも有効な手段と言えるでしょう。